12月の火曜市は「あんぱん」

あんぱん11月は「ネジリパン」でしたが、12月の火曜市特価品は「アンパン」です。

一昔前では、オギロといればアンパン。アンパンと言えばオギロ。
昨今の「あんこ離れ」で、トップの座は「しゃりしゃりバター」に奪われたものの、アンパンは健在です。

オギロパンのアンパンは、中に入っている餡がこしあんです。
自家製こしあんは、小豆の風味に甘味と若干塩気を感じるものです。

アンパンと相性が良いのは、やっぱり牛乳ですね。
アンパンを一口頬張り、2〜3回咀嚼し、そのまま牛乳を一口飲みますと、アンパンの旨さと牛乳の風味が混ざりあい、お互いの個性を引き立てます。
そして、また、アンパンを一口、牛乳をグビリと繰り返す度に、相性の良さを認識せざるを得ませんね。

そういえば、高校生の頃に工場(こうば)でバイトしている時、アンパンを包ませてもらう機会がありました。

私は、それまでアンパンを包んだことがなかった為、あんこを包むのに四苦八苦していると、三代目親分(社長もしくは父、ですね・・・)が知らない間に私の隣にやってきて、「あんぱんはの、こう包むんじゃ」と、テキパキとアンパンを作っていきました。それはもう、速いっ。
普段、酒を飲んで大虎になって、だらしのない姿しか見ていなかった私は、目からウロコでした。
そう。三代目親分は、大酒飲みなのです。
私も少々酒をたしなみますが、あくまで「少々」なのは、やはり反面教師として・・・(ゴホンッ)。

まぁ、それはそれとして。

そして、その時、ひとつの「オギロパンの伝統」を教えてもらいました。

「うちのアンパンはの、あんこが多いのがええんじゃ。あんこが少なかったら、お客さんから怒られる。でもあんこが多かったら、喜ばれる。多くて怒るお客さんは、おらんけーの。」
「うん。そうだね。」
「じゃけーの。あんこは、自分が食べたいだけ入れろ。すくのう入れたら、いけん。そのほうが、お客さんが、よころぶんじゃけぇ(がっはっは)」

その時は、私もがんばってみましたが、どうにも多く入りません。もちろん、見栄えも悪い。これじゃ、売り物にならないと、さんざんはねられました。

現在の私は、アンパンのあんこは包んでいませんが、ジャスコ店で「粒あんフランス」のあんこは包んでいます。もちろん、伝統通り、大盛りです。本店から「ジャスコ店のあれは、あんこ減らしてくれませんか」と言われるぐらい、入れています。お買得です。(笑)

とはいえ、最近のあんこ離れのせいもあり、どうも、賛否両論のようです。
でも、有無を言わせず大量に包みます。
なにせ、オギロパンの伝統ですから。
もちろん、次の世代に受け継いで行こうと思っています。

究極に大量にあんこを包むのは、職人の本懐です。
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