新しいお好み焼き店

 宮浦に、最近できたとあるお好み焼き屋さんに行ってみた。
 
 雑誌の福山ウィンクの情報よると、「オリジナルソースをつかった、三原焼き」とのことで、そこだけを読むと、宮浦の「さっちゃん」のような感じなのかなぁ、と、思う。

 オリジナルソース。これは曲者で、ソースはなかなか小さい規模で作る事は難しい。オリジナルブレンドである場合が多い。駅前の「てっちゃん」のソースは、中間醸造さんのテングソースをベースに、アレンジを加えている。

 さて、オリジナルソースとは、いかなるものか?
 そして、焼き方はどうなのだろうか?
 そのあたりが、私の好奇心のそそられるところだった。

 水曜日が定休日と言う事なので、木曜日の夜に訪問してみた。
 店内は、白が基調の、お好み焼き屋さんというより、おしゃれな居酒屋のようなかんじ。厨房には、おじさまが一人いらっしゃって、鉄板を仕切っている。そして、サービスとして奥様のような方と、娘さん二人で切り盛りされているような感じだ。
 座敷は2テーブル。カウンターが6〜7席。4人がけテープル席が2つ。ある程度の規模は確保されている。

 さて、メニューを眺めてみる。
 お好み焼き(卵入り)が400円。
 モダン焼き・うどんorそば(卵入り)が500円。
 あと、トッピングが、肉、イカ、のしいか、モツ、ネギ、海老、チーズ、餅などなど。100円プラス
 鉄板焼メニューもあり、ちょっと飲める感じ。

 基本的だと思われる、モダン焼きのそばの肉で、いくことにする。
 残念ながら、テーブル席に座った為、まったく焼いているところを見る事が出来なかった。
 でも、ソースとマヨネーズは、事前に席に届いていた。

 こっそり、ソースを味見してみた。
 うーん。テングがベースで、それにオタフクの焼そばソースが混ざっているような感じ。もしかすると、オタフクのお好みソースも、隠し味に入っているかも。絶妙なブレンド。

 そうこうするうち、鉄板にて、お好み焼きが供された。
 当然ながら、見た目は、まったくもって、お好み焼き。
 しかし、こてをさしていくと、違和感を感じる。生地の感触が、あまりにも力が弱い。強すぎるのも考え物だが、弱すぎる。まるで、焼そばに卵がぺたりと乗っていて、お好みのカタチをしているような・・・。
 食べていくと、その違和感が、確信に変わる。これは、お好み焼きではなくて、焼そばの卵のせ焼きである。お好み焼きとしての一体感が、希薄だ。
 キャベツはきちんと火が通っており、おいしいのだが、お好み焼きとしての存在感を醸し出す、名傍役というわけではない。

 お好み焼きは、お好み焼きとして、一体感がある食べ物であることが、お好み焼きの存在意義だとおもうのだが、これでは、バラバラの印象しか持つ事が出来ず、お好み焼きとしての評価は出せない。
 主因は、生地の少なさにあるのではないだろうか。それとも、この生地の少なさを、「三原焼き」の特徴とするのだろうか。

 しかも、広島のお好み焼きにはあるまじき存在である「マヨネーズ」まで供されているというのも、いかんともしがたい。マヨネーズは、あると旨いのだが、お好み焼き単体で食べて、それに変化をつける為にマヨネーズの風味を借りるのが正しい広島県人のありかたであるし、マヨネーズなしで、食べる事が、王道である、と、私は勝手に思っている。

 一応完食したものの、「お好み焼き」を食べた感は少なく、すこしかたすかしだった。
 旨いのだから、まったく評価に値しない訳ではないのだが、お好み焼きのなんたるかは、やはり、お好み焼きとしての一体感だと思うのだ。それが、バラバラになってしまえば、それは、お好み焼きではない。

 ちょっとした違いなのだが、私の判断基準はそこなので、今回は、すこし残念だった。

 この傾向は、新しいタイプのお好み焼き屋さんに、多く感じる。
 これも、お好み焼きの新時代なのだろうか。

 今年は、古きよき、お好み焼きを探す1年になりそうな気がする。

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