巨大なものには魅力がある

 疲れたなぁ、甘いもんでも食べたいなぁ、と、仕事を終えてジャスコの食品売り場をうろうろしていた。それも、ぐったりと重い足取りで。

 最初は、小さいヨーグルトが食べたかったのだけど(しかも、どちらかといったら、ジャンク系ヨーグルト)、反対側の棚をみたら、プッチンプリンが目に入った。
 プッチンプリンも良いかもね・・・、と、なにげなく視線をずらすとそこには・・・
416ae968.JPG どーん。なんじゃこりゃ。でかい・・・。(写真は購入後のもの。大きさ比較のため、単三電池を並べてみました)
 グリコの「HAPPYプッチンプリン」である。

 おもわず、横にある3個いりプッチンプリンと比較する。
 うーん。でかいぞ。
 これは本当にでかいぞっ!

 ぐったりと疲れているのに、なんだか変にプリンの前で盛り上がる三十路男が一人。ほー、ふーむと、気分はすっかり高揚してしまった。

 しばらくひとり盛り上がった後、踊る心を押さえ込みながら、クールに比較検証することにした。このあたりが、どうにもこうにも仕事のクセである。
 せっかくのグリコのジョークなんだから、素直に受けてあげなさいよ、と、自分で自分を軽くつっこみながら、計算を開始する。

 3個いりプッチンプリンが158円。1個78グラム。
 HAPPYプッチンプリン。もちろん1個。368円。400グラム。
 ノーマルプッチンに比べ、HAPPYプッチンは比重が5倍強!
 すげー。しかも、この非常にでかいプッチンプリンは、なんときちんとプッチンできるという。

 価格を考えてみる。
 3個いりは、158円を3で割り、1個単価を出すと、1個52円66銭。
 これをハッピープッチンの量にあわせるため5倍する。
 つまり、5個263円。

 うん?でかいのに、100円も差がでてしまっている。
 大きくなったら、安くなるはずでは?
 いくらよく出来たジョークとはいえ、同じ味のプリンの100円差ってどうよ?
 ふと、疑問が頭によぎる。

 ・・・のだが、そんなことはこの際関係ないのだ。

 このでかいプッチンプリンのポップには、「期間限定」と書いてある!
 つまり、この機会を逃すと、こんな大きなプリンは一生食べられないかもしれない。

 今買わずに、いつ買う!
 今食わずして、いつ食う!

 ・・・見てみたい・・・。むらむらと、欲が出てくる・・・。
 その巨大なプッチンプリンが皿に乗っている姿をこの目で見てみたいのだっ!
 どーん。どっかーん。そんなプリンが皿の上でブルン(プルンではなくて)とゆれる姿は、どんなに魅力的だろうか。想像しただけで、笑みがこぼれる。

 こうなると、すっかりもうだめである。
 すっかり盛り上がってしまっている。
 私の理性はどこかへ吹き飛んでしまっている。

 巨大プリン1個をもって、レジに直行!
 気分を高揚させたまま、家にも直行!

 さっそく妻に「おみやっ!」と渡してみた。
 甘いものが苦手な私は「ひとくち」でいいので、このプリンは我が妻がメインで食べなければならないのである。
 そして・・・こんなくだらないジョークで、我が妻は「大うけ」したのだった。

 ・・・こんなのでいいんですかっ?
 あなた、私の手の込んだジョークには素どおりで、このでっかいプリンには心の琴線が震えるのですかっ!

 とりあえず受けたことには満足なのだが、とても複雑な心境である・・・。
 うちの妻は、駄洒落系ですか・・・。
 そういや、私は駄洒落を言わない男だよなぁ・・・。

 でも、基本的には嬉しい。
 でかいプリン。うーん。
 これはいい。ほんとうに、よく出来たジョークだ。

 ・・・あとからふと思う。
 グリコって、そういえば、商品を巨大化させるのって、お家芸だよなぁ・・・と。
 ジャンボポッキー。ジャンボプリッツ。
 やはりグリコは大阪の会社なのであった。
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