クグロフはアルザス名物

18c73548.JPG 昨日の話で、ふっとクグロフのことを思い出しました。この「クグロフ」も、ウィーンからフランスへ伝わった発酵菓子なんです。そして、私が三原に帰ってきてから、ずっと焼き続けている発酵菓子です。

 その姿形は、帽子のようにも見えるし、宇宙船のようにも見えるし、昔懐かしい教育テレビの「できるかな」のゴンタ君にもみえるし・・・。

 さて、私の思い出話になってしまいますが、話は数年前にもどります。

 私が、フランスの某1つ星レストランでパンを焼いていたときに、教えてもらったパンやお菓子の作り方の一つにこの「クグロフ」がありました。そこで教わった製法は、もとはといえば、フランスのアルザス地方にある、とあるレストランのレシピだそうです。

 ちなみに、アルザスのストラスブールという街は、クグロフが名物なのです。
 お土産品に、陶器製の飾りの描いてあるクグロフの焼き型が売っている、というほどの名物です。

 そのストラスブールにある、有名な「クロコディール」という三ツ星レストランの隣にパティスリー(お菓子屋さん)があって、そこのクグロフが旨いと人から聞いたので、がんばってストラスブールまで足を伸ばして実際に食べてみました(店名に関しては、メモがないので、不明なのですが、クロコディールは超有名店ですから見つけることは不可能ではありません)。

 そのクグロフは、バターと卵の風味がふんわり鼻腔を抜けていき、ほろほろと崩れるスポンジ状の生地が、旨い。そして、その生地の中には炊き込まれたレーズンが入っていて、レーズンにあたると風味が濃厚なんです。上部に張り付いているアーモンドが香ばしく味のアクセントになっています。そのコンビネーションと、形のユーモラスさに、かなり惹かれました。
 そして、とにかく旨かった。ちょっと大きかったけど・・・。

 さて、そんな思い出を胸に秘め、帰国した後、三原でクグロフを作ろうと思いました。
 持ち帰ったレシピを眺めて、少し考えた挙句、私流にアレンジしたものが、いまうちの店で「ジャスコ店店内製造品」として販売している「クグロフ」です。

 クグロフは、焼き型に入れて焼くお菓子ですが、焼き型には、金属のものと、陶器のものがあります。
 金属のものは、火どおりがよく、きれいに焼けます。
 陶器のものは、柔らかく火が通るため、しっとり焼きあがります。
 私の場合は陶器で決まりっ!、でした。多少、しっとり感が欲しかったのです。そして、焼き型の大きさは、一番小さいものを使用し、買いやすい食べやすいサイズにしたかった・・・(それでも、一人で食べるのは、ちょっとつらいかも)。

 そんなこんなのクグロフですが、残念ながら、販売当初から「クグロフ、なにそれ?」という感じの認知度でございます。
 しかも、私自身が積極的に認知に努力するわけでもなく、認知度は上がらぬまま、現在に至ります。
 
 なにはともあれ、お店にひっそり並んでいる「ゴンタ君」たちは、実はアルザス出身のお菓子であるというわけなんです。
 そして、このお菓子、よい材料と手間がかかっている割には、お値段控えめです。しかも悲しいことに、よく売れ残るのです。(涙)
 不味いから?と、売れ残ったものを食べてみるのですが、本当は旨いのです。<自分で言うな

 でも、売れなくたって、私は「これが旨い」と思っているのだから、きっといつか白馬に乗った王子様(馬車に乗った王女様でも可)が迎えにいらっしゃるはずだわ・・・。と童話チックに考えてみても、現実はそのようにファンタジックではなくて、どうにもならへんところではあります。

 あ、このクグロフですが、ケーキのように、上からナイフで分割して、切ったものを頂くのが、アルザス流です。かじって食べるのは、ゴンタ君が痛がりますので、ご注意ください。ばっさりいってしまうのが、武士の情けです。
 コーヒーや紅茶とも合いますし、生クリームを添えてもいいし、辛口の白ワイン(アルザスでは、リースリングですね)と合わせても旨いと思います。
 裏技では、コーヒー(カフェオレがよいかも)にすこし浸して食べるなんてのもあります。ちょっと下品ですが・・・。