コッペパンはメロンパン

(これは、以前書いたテキストの再掲です。初出は1998/12/25。若干改定してます。)

 オギロパンには1つの謎がある。それは、コッペパンである。

 これだけ書くと、とてもおかしいのだが、いまから詳しく説明すると、なんとなく納得していただけるであろう。

 三原以外に住む人は、「コッペパン」はどんなものを想像するだろうか?
 きっと、給食に出てくるあの何もつけていないシンプルなパンを思い描くだろう。

 だが、しかし、うちの実家のコッペパンはメロンパンなのだ。
 そして、メロンパンはアーモンドのような形(つまり、丸くない)をしていて、クッキー生地の上掛け、そして中にカスタードが入っているのだ。そして、サンライズは、一般的なメロンパンをたて二つに切り込みをいれ、その切れ込みにクリームとチェリーをいれるというもの。

 さて、これを読んで混乱しない人がいるだろうか?
 私自身が書きながら混乱してくる。

 急になぜ書くかというと、先日テレビで「メロンパン」の呼び方が大阪と神戸で違う、と報じていたからだ。一般的には丸くてクッキー生地が上についたパンを「メロンパン」というが、神戸では「サンライズ」と呼ぶ、といった内容だった。神戸の「メロンパン」とは、うちの実家のメロンパンと同じで、アーモンドのような形をしていて、中に白あんが入っているらしい。

 で、三原の人間はメロンパンのことを「コッペパン」という。東京に行って、あっちの人と「これはメロンじゃない!コッペ!!」と喧嘩した人もいるらしい。

 さて、メロンパンの由来となると、なぜか謎らしい。

 ただし、コッペパンには由来がある。
 パンに切れ込みをいれることをフランス語で「クープをいれる」というのだが、クープ入りのパンという意味で、「クープパン」。それがなまって、「コッペパン」になったと聞いたことがある。
 もう一つの由来としては、やはり切れ目が入ったパンの事をドイツ語では「クッペ」という。それがなまって「コッペ」となったという説。

 しかし、現在の一般的なコッペパンに切れ込みが入っているかというと、これが入っていない。不思議だ。

 では、メロンパンはどうか?
 メロンパンにはきちんと切れ込みの名残らしきものがあるのだ。神戸のメロンパンにも切れ込みの名残らしきものがある。

 ここで、私に、一つの妄想が生まれてしまう。まず、日本に「クープパン」が入ってきた。それを見て、当時のオギロパンのパン職人が同じように作ってみたが、いまいち日本人受けする味ではないと感じた。そこで、クッキー生地を上につけて、形だけは何とか「クープパン」に似せようと筋をつけた。これが「コッペパン」になった。では、メロンパンは?サンライズは?と聞かれると窮してしまうのだが。やはり、妄想に過ぎない。

 つまり、オギロパンではメロンパンはコッペパンである。
 そして、コッペパンは味付けパン。
 サンライズは変形サンライズ。(現在は製造中止)
 かなり変則的なのだ。

 歴史だけは古いうちの実家だが、その記録は多く残っているわけではなく、口伝の部分が多い。いかにして、このような変則的な名前になったかは、解き明かされることのない謎になるかもしれない。

 そして、オギロパンではこの先も「コッペパン」といえば、メロンパンであることは間違いない。三原の人間がコッペパンといえばメロンパンの形を想像するという事実は、このまま続いていくのだろうか・・・。

 そのうち、この謎は解明していこうと思う。メロンパンの由来とともに。


「コッペパンはメロンパン 第2章」へ続く
Comments(10) | TrackBack(0) │   (22:19)