モーコパン

 販売店さんには、オレンジ色の「オギロパン」の名前入りのパン箱に、パンを詰めて持っていく。パンを店に並べた後は、空箱をバックヤードに積んでおいてある。その空になった箱を、工場に持って帰って、洗って乾かし、再びパンを詰めて販売店さんに持っていく。

 オレンジ色したパン箱は、この業界ではポピュラーなものである。

オレンジ色のパン箱(プラコン)
http://www.placon.co.jp/d6.html

 そんな空になったパン箱を取りに、とあるスーパーのバックヤードに行った。
 うちのオレンジ色したパン箱を探しているうちに、とあるパン箱に目が行った。
 そのパン箱は、うちのパン箱と同じ形、同じ色をしているが、当たり前だが書いてある文字が違っていた。

「モーコパン」

 うん?モーコパン?モンゴル系?
 うちのなまえもたいがい妙であるが、こちらさんも妙である。

 なんでモーコパンなんだろう。
 うちは名字。まさか「蒙古」さんなんていないだろうし・・・。

 そんなわけで、調べてみた。
 ぐぐってみると(便利な時代になったものである)、大竹にそのパン屋さんはあるではないか。

有限会社モーコ製パン工場
http://www.hiwave.or.jp/kennaikigyou/1240.html

 大竹市のパン屋さんだった。そのスーパーではモーコパンは売っていないので、大竹からわざわざ三原まで、このパン箱が旅してきたのだろうか。

 よく見るタイプ。よく見るからこそ、間違える。たぶん、大竹から、同じようなパン箱を使っている会社が間違え、だんだんこっちにやってきたのだろう。
 兵庫県のほうからきているパン箱を見かけたこともある。
 こういったパン箱は、やってきたはいいが、間違えてやってきたため、もとの場所に帰るすべがない。さまよえるパン箱なのだ。

 そして、モーコパン。
 企業概要を見てみると、社長さんの名前が「望戸」さん。
 そう書くのか!自分のことは棚に上げて、かなりびっくりである。

 パン箱が大竹から流れ着いたこと。名字が会社名になっている似たような状況の会社があったこと。
 なんだか、興味深いできごとだった。
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