広島遠征記 その1 〜遠征にゆくまでに〜

 オギロパンとして、広島市に販売に行くなんて、昨年の自分では考えられないことをしたような気がする。

 9月28日に、広島の本通りにある「ひろしま夢ぷらざ」での販売を行なった。
 これには、私の一つの意図があった。

「うちのパンって、よそでも売れるのかなぁ?美味しいって思ってもらえるのかなぁ?」

 素朴な疑問である。

 自分自身のパン(ジャスコ店で作っているパン)に関しては、相対的ではなく客観的に判断できるが、オギロパン(昔からあるパン)に関しては、あまりよく判断できない。私自身が、オギロパンで育っているため、この味がある意味当たり前で、それゆえ、客観的に判断する材料に恵まれていない。

 たぶん、この悩みは、私自身の悩みなので、ほかの人から見るとおかしいのかもしれない。

 ともかく、オギロパンでどこまで勝負できるか、知りたかったというのが、一番の動機になったのは確かである。


 だからといって、いきなり出店するほど、私には勇気はない。
 そこで気がついたのが「ひろしま夢ぷらざ」の存在だった。

 広島の中心地である本通りに店を構えているうえに、三原商工会議所が年に1回、三原の物産をひっさげて遠征していることは知っていたので、それに便乗できないものかと考えた。リスクはかなり低くなるし、ある程度、私の疑問に対する答えにもなる。

 まずは、その「ひろしま夢ぷらざ」に行ってみた。たしか、冬と春とか変わるぐらいの時期だった。

 さすがに広島の本通り。平日というのに、人通りがかなり多い。
 担当の方とも話をしてみると、

「だったら、三原の物産展の時に、一緒に来たらいい」

 と、いうことだった。
 
 三原に帰って商工会議所の担当の方に話をすると、

「じゃ、つぎに行くときに、声掛けてあげる」

 と、いい返事をいただけた。

 
 さて。
 
 実際に行く段になり、少々悩む。

「何を持っていこう・・・」

 私の頭の中には、オギロパンで一番支持されているであろう「しゃりしゃりバターパン」が、すぐに浮かんだのであった。


(つづく)
 
Comments(0) | TrackBack(0) │   (17:52)