広島遠征記 その3 ひとまず、一人反省会

 おもがけず飛び込んできた「天満屋緑井店」での催事。

「ひろしま夢ぷらざで見かけたんですが、うちで販売してみませんか?」

 と、担当の方から言われる。確かに、ひろしま夢ぷらざでの販売で、そのような感じの人も見受けられた。まさか、それがこのようにつながるとは。恐るべし。

 さて、ひろしま夢ぷらざでは、三原の関係者とそうでない人との反応に、恐ろしいほどの差があった。

 三原の関係者の方は、「オギロパン」という文字を見つけると、つつつっっと寄ってきて、いろんなことをおっしゃる。

「まだ、あったんじゃねぇ」
「なつかしいねぇ」
「これすきじゃったんよ」
「本町の店で買ようたねぇ」
「館町で買ようたよ」
「三原高校の前に、店があったねぇ」

 と、遠い目をしながら、語っていただけるのである。
 これが、なんだか嬉しくって、こちらもニコニコしてしまう。
 
 オギロパンは、昔からやっているだけあって、多くの人にとって、たくさんの思い出になっているんだなぁ。

 でも、こうも少しは思ったりする。

 ・・・いまでも、現役バリバリのパン屋なんですけどね・・・。
 ・・・思い出なのね・・・。
 
 嬉しいやら、がんばらなあかんと思うやら・・・。


 そして、三原関係者以外の人はといえば。

「どこにあるん?三原?三原ってどこ?(ほんまに言われた)」
「なんか、昔からあるようなパンじゃね(これは事実である)」
「甘そうじゃね。(カロリーが気になるようである)」
「給食で出とったようなパンじゃね(しゃりしゃりバターのことである)」

 と、初対面から散々な言われよう。(笑)
 あまりにも、上段からバッサリと斬って捨てられたようで、案外ダメージは少ない。そんなもんだよなぁ、と思った次第である。

 
 以上のことからわかるように(といっても、ほとんどの人がそう思っているだろうけど)、三原ではオギロパンは絶大な知名度を誇っているようだが、広島ではまったくもって無名である。
 時には「ああ。三原のパン屋って言えば、おたくクリームパンつくっているでしょ?」と、違うパン屋さんと完全に勘違いするような方もいらっしゃった。

 あはは。そうだよね。あちらさんは全国区だもん。(笑)

 とはいえ、きっちりと自らの立ち位置を認識したうえで、天満屋緑井店では、なんとか一矢報いたいと思ったのであった。


(つづく)


 
 

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